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植物のカロチノイド類で抗酸化物質を補っているのは、なにも人間だけではない。
ウマやウシのような草食動物も同様である。 牛乳の中にはカロチノイド類が含まれている。
牛乳を凝縮したバターが黄色いのは、このカロチノイド類のためである。 さんざん活性酸素をけなしてきたが、活性酸素は、私たちのカラダの中で重要な働きもしている。

たとえば、体内に進入してきた雑菌などの異物を食べるマクロファージである。 私たちのカラダは、このマクロファージの働きによって、さまざまな感染症から守られている。
雑菌を食べるというが、実際は、マクロファージは雑菌を活性酸素の働きによって酸化するのである。 もし、この活性酸素の働きがなければ、私たちはたちどころに感染症で死んでしまう。
もう1つ、活性酸素は、私たちの生殖活動でも大きな働きをしている。 たとえば、精子の「受精能獲得」である。
精子は、射精直後には受精する能力をもっていないが、女性の生殖器内に入ってはじめて受精する能力をもつようになる。 この現象が受精能獲得である。
これまでの研究で、この受精能獲得が活性酸素によって促進されること、また、精子自体がその活性酸素をつくりだしていることがわかってきている。 活性酸素は生命の誕生にも深くかかわっているのだ。
人間の生体反応はいたって複雑で、わからないことだらけだ。 活性酸素がいろいろな悪さをするといっても、それをいちがいに切り捨てることはできない。
ただ、中高年になって、活性酸素の活動をコントロールするSODが少なくなってきたら、それを補う意味で植物からカロチノイド類をたくさんとることは、生体のバランスをとるうえでとてもいい。 こうしてみると、β‐カロチンを大量に含むニンジンジュース、リコピンを大量に含むトマトジュースは、不足しがちなSODを補い活性酸素の害を抑えてくれる、中高年にとってかっこうの健康食ということができる。
カロチノイド類を大量にとるには、毎日、緑黄色野菜をふんだんに食べることだが、実行するのはやさしくない。 一本飲むだけで、1日に必要とされる緑黄色野菜120グラムぶんのカロチノイド類が補給できる野菜飲料は、なかなかのすぐれものといっていいのではなかろうか。
いまから30年ほど前、アメリカでビタミンCが大ブームになったことがあった。 そのきっかけは、カリフォルニア工科大学のL博士が、ビタミンCを大量に摂取することで、ガンが予防できると発表したことだった。

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